サイクル初心者

攻めサイクルが好きです

【SV S9シングル】チオンウーラ双軸サイクル【最終30位】



【はじめに】
 初めましての方は初めまして、かーぼんと申します。最終2桁前半を取ることが出来たので記事を書きたいと思います。
 僕のプレイングがお粗末すぎて勝ち切れませんでしたが、構築はそこそこ強かったと思うので、誰かの参考になれば嬉しいです。

【並び】

※レンタルID:9W63LN(9月中は残しておきます)

【構築経緯】

対処の難易度が高い水・悪ウーラオスやパオジアンに対して基本有利で、ディンルーに対しても大きくテンポを取る事の出来る、HBフェアリーテラス残飯チオンジェンが環境に刺さっていると感じたので構築の始点とした。
環境に一番多いチオンジェン対策がサーフゴーであったので、対サーフゴー最強のチョッキイーユイがチオンジェンの相方として最も合理的だと感じて採用し、上記2体を構築の軸とした。

チオンジェン+イーユイだけでは、身代わり持ちのハバタクカミのケアが難しく対策が必要であったのと、チオンジェンが物理の役割集中で突破されないよう負荷を分散させるクッションが必要だと思ったので、これらの条件を満たすレッドカードドヒドイデを採用。

ここまでで不足している崩し枠となれるだけでなく、タイプや特性を生かして、ドヒドイデやチオンジェンを強く動かす事ができるアタッカーとしてフェアリーテラス鉢巻ランドロスを採用。

次に「ガチグマなどの強力な崩し枠が居る構築」「サーフゴー入りのうち、チオンジェン+イーユイ+@1で選出が纏まらない構築」などにはチオンジェンを出したくないと思ったので、攻め駒主体の選出(裏選出)を別途用意することにした。
その攻め駒を試行錯誤していた際、チオンジェンが初手に呼ぶポケモン(零度パオジアンなど)に強く、初手枠として非常に強力だったことからスカーフ水ウーラオスを採用。

最後に、ウーラオスと並べる攻め駒として、ここまででシンプルに重いカイリューやウーラオス、ヘイラッシャなどへの対抗策となる汎用特殊アタッカーの眼鏡霊テラスハバタクカミを採用。


以上の6体で構築が完成した。

【コンセプト】
・チオンジェン軸の受けサイクルで詰めて勝つ
・水ラオス軸の攻めサイクルで殴り切って勝つ
・上記2つの勝ち筋を構築内で両立させ、相手に応じて適切な勝ち筋を選択する

【個体詳細】 *赤字:上昇補正 青字:下降補正

チオンジェン@食べ残し ≪テラスタイプ:妖≫
性格:図太い 特性:災いのお札
実数値:192(252)-81-165(236)-117(12)-156(4)-91(4) 
技構成:ギガドレイン/イカサマ/宿り木の種/守る
*A個体値0

◆調整意図:
H→16n(食べ残しの回復量意識)
C→無振りテツノツツミをギガドレインで乱数一発(81.2%)
S→ミラー意識で気持ち程度の端数振り
B→あまり、役割対象に安定させる為なるべく高く D→端数

 構築の組み初め。S9は明らかにこのポケモンへの警戒が薄い構築が多く、非常に通りが良かった。
 技構成に関しては「宿り木の種+守る」は抜く理由が無いので確定。残りの2枠は色々と試したが、猛威を振るっていた剣舞水ウーラオスに対して「ギガドレインイカサマ」の構成が最も安定すると感じたので採用した。ギガドレインを入れる副産物として、テツノツツミに非常に強くなるため、チョッキ枠がツツミに弱めのイーユイである本構築では非常にマッチしていたと思う。
 テラスタイプは一致技しかない剣舞悪ウーラオスに安定するフェアリーテラス一択。基本的にはテラスを切る前提で選出するが、プチ流行していたイダイトウ入りに限っては素のタイプで完封することができるので、テラスを切らない試合展開も思い浮かべながら動かすこともあった。



イーユイ@突撃チョッキ ≪テラスタイプ:霊≫
性格:控え目 特性:災いの玉
実数値:147(132)-x-100-190(140)-140-150(236)
技構成:悪波/オバヒ/カタスト/サイキネ
*A個体値0

◆調整意図:
S→準速ウーラオス抜き
C→悪の波動+カタストロフィでH197-D115カイリューが14/16で落ちる
H→C203サーフゴーの眼鏡ゴルラ(非テラス時)+A204カイリュー地震(テラス時)をほぼ耐え
 A200水ウーラオスの水テラスアクアジェットを15/16耐え

 サーフゴー対策。チオンジェンを軸にする以上、サーフゴーに後投げから余裕を持って勝てるレベルのポケモンが必要だが、他のよくいるチョッキ枠が何一つ信用ならなかった(大体眼鏡シャドボが痛すぎる or 殆どの場合で裏にいるカイリューに負荷がかからない)ので、無難にイーユイに落ち着いた。
 技構成はカイリューサフゴを意識した「カタストロフィ+悪の波動」、炎打点の「オーバーヒート」、ウーラオスドヒドイデに撃つ「サイコキネシス」を採用。オバヒを外した時以外で噴煙や火炎放射が欲しかったと思うことはなく、サイコキネシスで数え切れないほど拾ったので、この構成が結論だったと思う。
 スタンパに対しても出しどころを間違えなければ特殊受け&簡易な崩し枠として強力に動かせるため、チオンジェンとセットでなくても選出することがそれなりにあった。そのため単体性能を上げるべく、耐久と火力をギリギリまで切り詰めてSに振ってウーラオスの処理を行えるようにしており、生きる場面もかなり多かった。やはり環境トップへの処理ルートは多ければ多いほど良いと改めて感じた。


ドヒドイデ@レッドカード ≪テラスタイプ:ノーマル≫
性格:腕白 特性:再生力
実数値:157(252)-83-206(124)-×-179(132)-55
技構成:アクアブレイク/毒びし/再生/黒い霧

参考→【S7 最終4位/レート2127】俺のチオンドヒドは強い - もんぶりゃんって言うらしいよ

 チオンドヒドのサイクルで詰められそうな時のみに投げる。選出率は最下位であったが、見せ駒としての圧力がやばく、ブエナカミが全く出てこなくなるなど明らかにこちらの都合の良い方向に相手の選出が歪んでいたのを感じたので、構築から抜けないピースだった。
 テラスタイプはハバタクカミやイダイトウの霊技の一貫を切れたら便利そうだったのでノーマル。
 調整はもんぶりゃんさんがS7で使用されていたものをそのまま使わせて頂いた。本構築では相手のハバタクカミやイーユイに対して役割があるので、HB特化よりもDに少し振り分けている方が使いやすかった。



ランドロス@拘り鉢巻 ≪テラスタイプ:妖≫
性格:意地っ張り 特性:威嚇
実数値:173(68)-209(196)-112(12)-x-101(4)-140(228)
技構成:地震/テラバ/岩雪崩/蜻蛉

◆調整意図:
S→準速セグレイブ抜き
A→11n、HB特化ドヒドイデ、B4振りテツノツツミを地震で確定1発
HB→A211ガチグマの根性空元気を威嚇込みで14/16耐え
 テラス時A189パオジアンの氷柱落としを威嚇込みでほぼ2耐え
HD→C187ハバタクカミの+1ムンフォを15/16耐え

 便利な崩し枠。テラス後チオンジェンやドヒドイデを絡めたサイクルに通る地面と電気の一貫を消すのは勿論、威嚇を絡めて物理をチオンジェンで詰めるルートが取りやすいのが非常に強力であった。
 テラスタイプは当初は「ドヒドディンルー+地面無効枠」の並びへの崩しとして強力な飛行テラスで使用していたが、パオジアン入りへ選出を躊躇してしまうのがストレス過ぎたので汎用性を意識してフェアリーテラスで最終的に採用した。
 滅茶苦茶強かったし、替えとなるポケモンが居ない気もするが、負け試合の多くがこのポケモンが拘っていることに付け込まれ、カイリューサーフゴーでサイクルを回される事だったので、改良するならここから変えるべきなのかもしれない。


水ウーラオス@スカーフ ≪テラスタイプ:水≫
性格:意地っ張り 特性:不可視の拳
実数値:195(156)-176(76)-133(100)-x-81(4)-139(172)
技構成:水流連打/インファ/蜻蛉帰り/アクジェ

◆調整意図:
S→スカーフ込み最速テツノツツミ抜き抜き
A→11n、無振りパオジアンが水テラス水流連打で確定1発
HB→A189パオジアンの抜群テラバーストを13/16耐え
HD→C176テツノツツミのフリーズドライを13/16耐え
※AとSをこれ以上削りたくなかったので、耐久方面は最大値を取った。

 構築の核。選出率は間違いなく1位で、選出時はほとんどの試合で初手に置いていた。
 チオンジェンが初手零度パオジアンを呼びまくるが、それをスカーフ水ラオスで最低限の試行回数で迅速に処理する事が出来たのが、一撃技に屈しやすいチオンジェンサイクルで結果を残せた要因の1つと考えている。
 蜻蛉帰りという技がとにかく偉く、「相手の物理受け(ヘイラッシャ、HBカイリュー)への引きに対して、眼鏡ハバタクカミを投げて崩しを行う」「草/電気パオジアンを削った上で、テラバーストをチオンジェンで半減で受ける→イカサマで処理」「初手の飛行テラスカイリューマルスケを割った上で、ランドロスで受ける→鉢巻岩雪崩で処理」といった取り巻きと合わせて強く、再現性のある動きをいくつも取り入れる事ができた。
 自由枠はアイススピナーや雷パンチなどのサブウエポンを入れても良かったが、それらを撃ちたいと思う場面が殆どなかったので、前期のスポンジさんの記事を参考に詰め筋として優秀なアクアジェットを採用した。



ハバタクカミ@拘り眼鏡 ≪テラスタイプ:霊≫
性格:控え目 特性:古代活性
実数値:131(4)-x-106(244)-190(140)-156(4)-170(116)
技構成:ムンフォ/シャドボ/マジフレ/滅びの歌
*A個体値0

◆調整意図:
S→最速ガブリアス抜き
HB→A197ランドロスの飛行テラバを14/16耐え
  A200ウーラオスの水テラス剣舞アクアジェットを13/16耐え
  Aぶっぱパオジアンの氷柱落としを陽気なら確定耐え、意地なら12/16耐え
C→あまり、H197-D115ノマテラカイリューマルスケあり)をムンフォ×2で91%で落とす

 ウーラオスと攻めの補完が優れたアタッカー。毒や鋼テラスの水ウーラオスにムンフォを半減されまくり腹が立ったので、テラスシャドボでワンパンしてやろうと思い、誰も使ってなかった霊テラスで採用した。
 他にも、チオンドヒドとハバタクカミ自身が誘いがちなチョッキヒードラン、チョッキジバコイルを2発で、H振りだけのハッサムを1発で有利乱数で仕留める事ができるので構築との噛み合いが良くそれなりに強かった。
 反面、優秀な耐性が無くなり、特にパオジアンの不意打ちに簡単に縛られてしまうので、かなりピーキーな性能をしていたとは思う。
 技構成は一致技2種は確定として、残り2枠は構築単位で重い脱出パックモロバレル対策で「マジカルフレイム」、ギミック構築をチオンジェンの守ると合わせて狩るための「滅びの歌」を採用した。

【構築の要点】
・勝ち筋の分散 ←→

チオンジェンは非常に役割対象が広く強いポケモンであるが、このポケモンを軸にすると介護する形のワンマンチームになりがちで、対策ポケモンが並んだ明らかに刺さっていない構築に不利を取りがちだと感じた。そこで、裏選出のパワーをとにかく上げる事を意識して構築を組み、チオンジェン軸の詰ませに重きを置いたサイクル、水ラオス軸の殴りきる事に重き置いたサイクルの2軸とすることで、適切な軸を選択すれば殆どの構築に5分以上の勝負をすることができた。
 また、チオンドヒド以外の4体がサーフゴーに基本的に強く、水ラオス軸で選出すると此方はサーフゴーに強いポケモンしか出してないのに、相手はチオンドヒドを見てサーフゴーを出してくれ、1体腐って簡単に勝てる、というような状況が頻発するのも強かった。

・後発チオンジェン 

 世間の多くのチオンジェン構築が「初手にチオンジェンを投げて、弱いタイプをテラスで変えて展開していく」というものであると思うが、滅茶苦茶多かった初手零度パオジアンに負けやすい点、初手に露骨な対策枠(挑発襷カミや身代わり○○、草テラス○○)を呼びやすい点から極力初手投げはせず、別の初手枠(スカーフ水ラオス)でこれらを潰すことを選出上意識していた。
 チオンジェンの着地タイミングに関しては、水ラオスのスカーフ蜻蛉からあと投げしたり、ランドロスで威嚇のデバフを入れてから蜻蛉又はタイプの補完を生かして引いたりして、役割対象の物理との対面を確実に作ってから宿り木で嵌めていくことを徹底していた。ラオスが誘う草・電気技、ランドロスが誘う水技にチオンジェンは耐性がある為、1サイクル目は綺麗にタイプ受けが可能であるのも強かった。

 

【選出】
・初手(oror)+
基本選出①。組み初めのチオンイーユイ軸の選出で、@1の枠は相手にパオジアンが居なければランドロスを最も信用して投げていた(威嚇によるサイクル補助や、カイリューの電磁波の一貫を切れたりするのが強いため)。

・初手(刺さっている時はも絡める)
基本選出②。補完で採用したウーラカミランドの3体が非常に強力だったので、もはや基本選出の1つと化した。基本的には初手水ウーラオスランドロスから展開し、タイプ・数値・特性を生かした3体の攻めサイクルで殴り切って勝つ。特殊受けの枠や、炎悪の打点が欲しい場合にはイーユイを絡める。

+(ororor) (順不同)
→チオンドヒドで詰んでそうな相手に投げる。TODになりやすいので20分タイマーの用意を忘れない。@1の枠に出すのがイーユイだろうと、サーフゴー入りには絶対にしてはならない選出。

・初手+(oror)
→「ハイブリッド」と呼んでいた選出。初手水ラオスで始動しながら、クッションとしてチオンジェン、エースとしてもう一体攻め駒(カミが多い)を置く。基本はウーラと攻め駒で殴りきって勝つことを目指すが、試合展開を見て、チオンで詰ませられそうな場合は貪欲に詰ませを行う。

・初手 or 初手
→TOP6(ディンカイサーフパオカミウーラ)系統への選出。相手の選出が殆どディンカイサーフなので、初手チオンジェン+崩し枠のイーユイ+スイーパーのハバタクカミで楽に勝てる予定…だったのですが、やはり零度パオジアンの数が異常だったので、最後の方はパオに強めでディンカイサーフに対しても大体勝てる基本選出②(ウーラカミランド)で対応していた。パオジアンが居ないTOP6に近い構築(パオの枠がツツミとかになっているもの)に関しては当初のチオン+イーユイ+カミの選出をしていた。初手チオンジェンを積極的に出したのは、初手ディンルーが濃厚なこの構築系統のみ。

 

【重かった並びとポケモン
・鉢巻飛行テラスランドロス
→飛行の一貫が凄まじいです…。威嚇入れてチオンで頑張る。
・襷電磁波鬼火祟り目ドラパルト
→何出しても仕事されるからしんどい、マジで無理。
・毒キョジオーン+電磁波カイリュー
→体感勝率3割、もっとちゃんとキョジオーンメタるべき。
カバルドン+ゴツメサーフゴー+カイリュー
→なんか最終日めっちゃ当たって、記憶にある限り全て負けました…。カバとゴツメサフゴがきつい。

 

【結果】
tn アリステラ 最終30位(最高212x最終2125)
tn かーぼん 最終102位(最高2106最終2086)



【あと語り】
 自分の中で過去一構築に自信があったので、最上位を目指そうと意気込んではいましたが、あり得ないプレミを連発して2100前後で停滞、時間的に100%間に合わなくなってしまったので、2桁前半で妥協する結果となってしまいました。
 自分の不甲斐なさに嫌気が差しますが、初めて2ロム2100を取れたり、最終日殆ど2桁から落ちることなく戦えたり、2桁帯で潜る事への恐怖感がほぼ無くなったりと、プレイヤーとしての成長は感じたので、また強い構築が組めた時には最上位に挑戦したいと思います。

 以上、ここまで閲覧ありがとうございました。何かあればX(旧Twitter)の@carbon_poketまでお願いします。


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